ハマダイブ
浜松市

保育園で実施する⾷農・⾷育 キッズブログラム「味噌作り を通して発酵を学ぶ」

れんりの⼦(愛管株式会社)×株式会社オリゼ

INTERVIEW

【保育園×麹菌】味噌作りを通じた食育で、子どもたちから親世代へ日本の食文化を広める(前編)

スタートアップ支援やオープンイノベーションの推進に取り組んでいる浜松市。浜松というフィールドから新しいアイデアやビジネスが次々と生まれることを目指し、社会課題などをテーマに浜松市企業とスタートアップの協業・連携を支援している。

今回は、保育園や飲食、農業、管工事など浜松市で多角経営を展開している愛管株式会社から、保育園「れんりの子」園長の富田知可子氏と、「地球を発酵させる」をミッションに麹由来の発酵食品を提供するスタートアップ・株式会社オリゼの田力怜奈氏に、両社の取り組みについて話を伺った。

保育園「れんりの子」
園長

富田知可子氏

株式会社オリゼ

田力怜奈氏

食農保育「れんりの子」×発酵食品オリゼ

事業内容と強みを教えてください

富田:

私は愛管株式会社が運営する「れんりの子」という保育園で園長を務めています。保育園の特徴は、フレンチレストランやカフェ、パティスリー、畑などを併設した約6000坪の敷地内で、食農保育を行っていること。スポットの食育イベントをするのではなく、子どもたちは日常的に目の前にある畑で野菜や果物を収穫し、それを自分たちで調理や加工をして食べています。

食農保育の優れた点は、子どもたちの考える力や言葉の広がりにつながることです。「なぜあの野菜の葉っぱはちぎれているんだろう」「鳥の糞がある。葉っぱを食べたのは鳥だ」「鳥を寄せ付けないためにはどうしたらいいのかな」といった具合に、食農保育だからこその発想力が子どもたちに生まれるんですね。

雄大な自然に囲まれていることに加え、食農保育で子どもたちの生きていく力が養われることから、保護者の方はもちろん保育士からも人気が高い保育園に成長しています。

田力:

株式会社オリゼは麹を使った発酵甘味料を主軸に、米麹グラノーラや米麹甘酒など、麹由来の加工品を製造している会社です。麹は2006年に日本醸造学会によって「国菌」に指定された日本にしか存在しない菌。日本の伝統的な発酵食品文化を広めるべく、「地球を発酵させる」をミッションに事業を展開しています。

味噌作り時に伝える、良い菌・悪い菌

れんりの子とオリゼの出会いについて教えてください

田力:

「れんりの子」とは浜松市からの紹介で出会いました。「食育に力を入れている保育園がある」と聞いて見学に伺うと、園児たちが魚の手開きをしていたんです。

普段から、野菜や果物を育てて収穫・調理をして食べる環境に身を置き、食育に関する言葉をたくさん浴びながら過ごしているためか、同年代の子どもたちに比べるとハイレベルな知識と言葉を身につけていたことに驚きました。

富田園長とお話をする中で、今までいろんな食育をしてきたけれど、麹菌にフォーカスした食育はやったことがないと聞き、麹や発酵食品をキーワードにした講話を保育園で実施することになりました。

富田:

保育園では収穫した大豆で毎年味噌作りをしており、その際に子どもたちは麹を触ったり食べたりしているのですが、麹とは何かを詳しく教えたことはありませんでした。あくまで、日本の食文化を伝えるための味噌作りです。

だけど、子どもたちにとって悪者である「菌」の中に、麹菌という良い菌があることを伝えられたら面白いのではないかと思い、味噌作りの日に田力さんのお力を借りることにしました。今はどんな伝え方をすればわかりやすいか、打ち合わせを重ねているところです。

具体的にどんな講話をされるのでしょうか?

田力:

味噌作りをする2月12日に、良い菌・悪い菌をテーマにわかりやすくお話しする予定です。発酵とは何かを説明するのは難しいので、食べ物の美味しさや保存性に菌が関わっていることと、悪い菌が口からお腹に入ってきたとしても、良い菌を食べて腸内環境を整えると悪い菌と戦える体を作れることなどを伝えたいと考えています。

また、良い菌はイメージしやすいように「オリゼちゃん」というキャラクターにするので、オリゼちゃんが体の中に入ると元気になることがわかってもらえたら嬉しいですね。

子どもから親へ、日本の食文化を広める

今回の協業を通じて、どんな未来につなげたいですか?

田力:

これまで保育園や幼稚園に関わる事業として給食やおやつに弊社の商品を取り入れてもらうことはありましたが、園にて食育の講師となるようなイベントは今回が初めての取り組みとなります。今後は、れんりの子で実施する食育イベントをきっかけに、同じような取り組みを他の園にも広めていけたらいいなと思っています。

子どもたちが食育を通じて食に関する知識や言葉を学び、それを家庭に持ち帰ることで麹を使った料理が増えたら、ご家族の健康に寄与するはず。そういった健康に関する社会問題の解決にもつなげていきたいです。

富田:

まさに、保育園で味噌作りをすると、子どもが親に「畑で採れた大豆から味噌を作ったよ」と話すので、実際に作る保護者の方も出てきます。味噌だけでなく、子どもからレシピを教わって初めて梅干しを漬けてみました、子どもと一緒に切り干し大根を作りましたという方もいらっしゃいます。

田力さんの言うように、昔ながらの食文化を子どもたちから親世代に発信することで健康に寄与するのはもちろん、子どもたちの豊かな未来につなげられたらいいなと思っています。

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