
OMソーラー株式会社×株式会社IKETEL
INTERVIEW
【OMソーラー×IKETEL】お客様の電話対応は全社員が可能に。
AIチャットボットで業務革命を(前編)

スタートアップ支援やオープンイノベーションの推進に取り組んでいる浜松市。浜松というフィールドから新しいアイデアやビジネスが次々と生まれることを目指し、社会課題などをテーマに浜松市企業とスタートアップの協業・連携を支援している。
今回は、日本の気候風土に適応した地域建築を通して、豊かな住環境の創造に貢献するOMソーラー株式会社 技術部の杉田恭子氏と、テクノロジーで地域や産業のアップデートに取り組む株式会社IKETEL代表の松本栄祐氏に、両社の取り組みについて話を伺った。

OMソーラー株式会社
技術部
杉田恭子氏

株式会社
IKETEL
松本栄祐氏
AIチャットボットで業務効率化を目指す
各社の事業内容やミッションを教えてください
杉田: |
OMソーラーは、「環境と共生する地域建築の創造と普及を通じて社会貢献を。」を企業理念に掲げ、OMソーラーシステムの開発や販売、省エネルギー社会に向けた産学協同による技術開発、会員工務店への建築技術・設計・施工の指導や部材の販売などを展開している会社です。 スタートアップと協業する背景にあった課題は、お客様や全国の工務店からの電話でのお問い合わせに対応する技術部の人手が足りないことです。高齢化に伴いメンバーが減ると同時に、技術に詳しい人も減り、社員の負担が大きくなりました。 そこで、電話の一次対応ができるチャットボットがあれば業務効率化につながるのではないかと考え、協業先を探すべく浜松市のプログラムに参加しました。 |
---|---|
松本: |
IKETELは「ガッツとテックで日本のミライをつくる」というスローガンを掲げ、共創とテクノロジーの力で地域や産業のアップデートに取り組み、100年先も豊かに暮らし続けられる日本の未来を実現すべく事業を展開しています。 製造業で商品開発を経験し、ITやテクノロジーに強いメンバーが集まっていることを強みに、製造業の商品開発領域におけるDXシステムの開発・提供と、自治体や地域の方と連携して、関係人口創出やまちづくり、ITを活用した地域課題解決などに取り組んでいます。 OMソーラーとの出会いは、大阪でのピッチイベントに参加した際に、浜松市から「浜松の企業の課題解決につながりそうだ」というお話をいただき、面談をセッティングしてもらったこと。我々が作っているプロダクトのPOCを進めたいフェーズでもあったので、とてもありがたい機会でした。 |
方向性を変えながら、価値あるプロダクトを目指す
具体的な協業内容を教えてください
松本: |
OMソーラー社の電話によるお問い合わせ対応の負担を軽減すべく、社内データを学習したAIチャットボットの開発に着手しました。杉田さんにはエラーコード一覧や、お客様の対応マニュアルを共有いただき、どれだけ精度高く回答できるかを検証しながら、POCを進めているところです。 |
---|---|
杉田: |
弊社のユーザーサイトには「エラーコード検索」機能があるのですが、お客様にはほとんど使われないという課題がありました。結果として、電話でのお問い合わせが圧倒的多数に。だから最初は、ちゃんとお客様の窓口として活用されるAIチャットボットの開発を考えていたんですね。 でも途中から、部門に関係なく電話に出た社員が誰でも回答できた方がいいのではないかとなり、社内用のAIチャットボットを開発することにしました。使い勝手が良くなってきたら一部お客様向けに解放する予定です。 |
途中で方向性が変わったのですね
杉田: |
そうです。専門的な質問を全て技術部に回すのではなく、AIチャットボットを活用して全社員がある程度の回答ができるようになれば、技術部の負担は分散できますし、社員教育にもつながりますよね。休日に依頼している電話代行サービスの人たちにも活用してもらうことで、本当に困っているお客様をお待たせすることを減らしたいと考えています。 |
---|
チャットボットで終わらない、価値を生み出すプラットフォームへ
協業することで得られた気づきがあれば教えてください
杉田: |
協業するにあたって、オンラインやメールで何度か打ち合わせをした上で、社内にあるデータを一気に渡したのですが、途中でデータの整理が必要になったので、最初の段階からもう少し密に打ち合わせをすれば良かったと反省しています。 |
---|---|
松本: |
というのも、最初からどこまでできるか自分たちもわかっていなかったので、ありのままのデータをくださいと伝えたんですよね。 理想なのは、今あるデータを雑多に放り投げるだけで、AIが綺麗に整理・認識する完璧なAIチャットボットを作ること。もちろん、データを綺麗に整えた方がAIの精度は上がりますが、雑多でもある程度の精度を出せるなら、社内で情報を整理する手間が省けると考えたんです。 |
今回の協業で実現したいことを教えてください
杉田: |
お問い合わせ対応でお客様をお待たせすることがないよう、社内向けのAIチャットボットを形にして使いこなすことです。技術部は10名で全国の工務店対応とお客様対応をしていますし、必要なときは現場にも出向くため、いち早く形になると嬉しいです。 |
---|---|
松本: |
そうですね。まずは過去のデータを活用してお客様対応が早くなるAIチャットボットを開発して業務効率化を実現し、ゆくゆくは新しい価値を生み出していけるプロダクトにアップデートしていきたいと考えています。 |
エントリー・その他に関するお問い合わせは以下のメールアドレスにご連絡ください。

ハマダイブ運営事務局
(委託事業者)フォースタートアップス株式会社
担 当 | : | 綿貫、平戸、小田 |
---|---|---|
: | pa@forstartups.com |
「ハマダイブ -浜松市企業と起こす地域イノベーション- 」は、
浜松市より「社会課題解決型イノベーション創出・発信業務」の委託を受け、
フォースタートアップス株式会社が運営しています。