
株式会社VELTEXスポーツエンタープライズ×株式会社ase 協業プロジェクト
INTERVIEW
【VELTEX静岡×ase】浜松アリーナでのホームゲームを満員にできるか。プロスポーツクラブとスタートアップの新たな挑戦

スタートアップ支援やオープンイノベーションの推進に取り組んでいる浜松市。浜松というフィールドから新しいアイデアやビジネスが次々と生まれることを目指し、社会課題などをテーマに浜松市企業とスタートアップの協業・連携を支援している。
今回は、プロバスケットボールクラブ「ベルテックス静岡」を運営する株式会社VELTEXスポーツエンタープライズの下出恒平氏と、デザインの力でスポーツ産業を進化させている株式会社ase取締役の山口正樹氏に、両社の取り組みについて話を伺った。

株式会社
VELTEXスポーツエンタープライズ
下出恒平氏

株式会社ase
取締役
山口正樹氏
プロスポーツとスポーツビジネスを支える企業の出会い
事業内容とミッション・ビジョン、強みを教えてください
下出: |
VELTEXスポーツエンタープライズは「スポーツで、日本一ワクワクする街へ」をミッションに、男子プロバスケットボールクラブのベルテックス静岡を運営している会社です。静岡県内12の自治体とパートナーシップ協定を締結し、スポーツ振興や地域活性化、観光事業連携を推進しています。 クラブに関わる全ての人とお互いに応援し合う関係性を築き、より豊かな毎日を実現させ、一緒に静岡の未来を作っていくことを目指しています。 |
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山口: |
aseは「デザインの力でスポーツ産業を進化させる」をミッションに、スポーツ分野の事業戦略からクラブ運営、商品開発、Web・SNS、コミュニケーションまで多岐にわたってスポーツビジネスを支えています。 中でも、尖った“1%の熱狂”を生むために、いろんな関係性のデザインや、新規ビジネスの創出・マネタイズなど、ブランディングや集客を強みとしています。VELTEXスポーツエンタープライズとの協業は、東京のインキュベーション施設で浜松市の取り組みを知ったことをきっかけに始まりました。 |
「CHEER UP!」で静岡県内の若者を集客したい
募集したプロジェクト内容を教えてください
下出: |
募集したテーマは、ホームゲームの集客です。具体的には、2025年1月4日と5日に浜松アリーナで初開催したホームゲームで、クラブ史上最大キャパである5000席を満員にする施策を募集しました。特に、現在スポーツを頑張っている学生たちも集客したいと考えました。 |
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そのテーマに対してaseはどのような提案をしたのでしょうか?
山口: |
我々が運営している部活動応援プラットフォーム「CHEER UP!」という、部活動への差し入れをクラウドファンディングのような形式で行うサービスを活用すれば、ベルテックス静岡の集客に貢献できるのではないかと考えました。 「CHEER UP!」とは、スポーツや部活動に必要なもの、たとえばボールやバット、テーピング、エナジードリンクなどを支援者に購入してもらい、それをチームに届けるサービスです。全国200校、420チーム以上が参加し、チームを強くするためのプロジェクトが多数立ち上がっています。 今回集客のための施策として考えたのは、静岡県内の部活動が「CHEER UP!」に新しくプロジェクトを立ち上げると、ベルテックス静岡のホームゲーム観戦チケットを最大30枚プレゼントするというもの。 我々としては、プロスポーツチームと連携することでサービスの価値を高められますし、浜松市と連携することで高等学校体育連盟やスポーツ団体などにも協力を得られ、一気に集客できるのではないかと考えました。 |
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集客にはつながらなかったものの、市内を中心に200団体にアプローチ
実際の成果はいかがだったでしょうか?
山口: |
浜松市に市長の名前で文書を作成いただくなど多大な協力を得られ、学校・チームにもスムースにお話を聞いてもらえました。その結果、市内全ての高校と、浜松市を中心とした静岡県内のスポーツチームや大学、中学校、小学校、少年野球など約200団体にアプローチできたのは大きな成果だと思います。 ただ、12月は高校バスケのウインターカップが開催される時期で、チームの状況として「CHEER UP!」にプロジェクトを立ち上げる余裕がなかったようで、ベルテックス静岡のホームゲームへの集客にはあまり貢献できなかったのが残念でした。 我々のサービスは、たとえばある学校のバスケット部がクラウドファンディングでたくさんのボールを集められたといった事例が出ると、他のチームも連鎖してプロジェクトが立ち上がるのが特徴なのですが、今回はタイミング的にもその動きを作れませんでした。 |
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下出: |
「CHEER UP!」はピンポイントの試合ではなく、年間を通して試合日を選べるようにした方が、親和性が高いのだと実感しました。選択肢が1月4日と5日しかないとなると、やはり難しいですよね。今回の結果を見て、年間を通した協業の可能性はあるなと思っています。 一つ反省点があるとしたら、今回全ての打ち合わせをオンラインで完結させてしまったこと。スポーツは熱を売るビジネスでもあるので、対面で膝を突き合わせて話をし、血を通わせることも必要だったかもしれません。ただ、そういった課題が明確になったのはとても良かったと思っています。 |
今後の展開について教えてください
下出: |
来シーズンでの協業はもちろん、地域企業やバスケ部のOBOGと現役バスケ部との交流を生み出せるような取り組みや、バスケット教室、アスリートの食講座など、地域の方との接点をより増やしていくような施策を一緒に考えたいです。 目指すのは、日本一ワクワクする街を実現させること。いろんな企業といろんなアイデアで情報発信ができたらいいなと思っています。 |
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山口: |
今回の協業で、自治体やプロスポーツと一緒にプロジェクトを作れたことは、我々にとって大きな実績となりました。今後もいろんなスポーツや団体、学校、自治体と連携し、社会的な課題解決に貢献したいと考えています。地域経済と我々のブランディングを掛け合わせながら、新しいビジネスの形を模索しつつ、またご一緒できたら嬉しいです。 |
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